No.103 (中南米の独立)  : 

「ウィーン体制を崩し始めたヨーロッパ内外の事件とは何か?」

ヨーロッパの外では、ラテンアメリカ植民地の独立運動が起こった。その指
導者として、植民地生まれの白人(クリオーリョ)であるサン=マルティン
がアルゼンチンなどを、シモン=ボリバルがボリビアなどを独立させた。内
ではギリシア独立戦争が起こり、英・仏・露の支援を得て成功。ロマン主義
アーチストのドラクロワ(仏の画家)やバイロン(英の作家)が、国際世論
をトルコからの独立支持に向けた。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

南米ボリビアの国名が、独立運動のリーダーであるシモン=ボリバルに由来
することを知り、大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

ヨーロッパ諸国では、まだ一部のエリート層を中心としたものにすぎなかっ
たため失敗した自由主義やナショナリズムの運動が、オスマン=トルコ領で
あったギリシアや、新大陸のラテンアメリカ諸国の独立では成功したことに
ついて、その意義を考察するとともに的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
ギリシア独立戦争に際して、国際的な同情と支持を高めたドラクロワによる
絵画を鑑賞することによって、ウィーン体制の下で抑圧された自由主義とナ
ショナリズムが、画家や多くの人々の心をとらえた事実を実感している。

知識・理解:
どれほど抑圧しても(抑圧すればするほど)高まる自由主義とナショナリズ
ムが、ラテンアメリカ諸国やギリシアの独立を実現させ、ウィーン体制が動
揺し崩れ始めたことについて、基本的な知識を身につけている。